2013-09-28,Sat.

馴染みの古本屋でウメヅカズヲ『森の兄妹』に触らせて貰った。Mさんが買ったのをTさんが触らせてくださいと言ったのに便乗したのだ。私はまだものをよく知らないが、MさんやTさんやHさんや、その他の人たちの興奮する様子からその本がどんなに凄いものなのかわかる気がした。Hさんはとてもすごい人なのだが、そのHさんも持っていたことがないという。Tさんは一度手にとったその本をなかなか放そうとしなかったし、Hさんは興奮した表情で'あなたも触っておいたほうがいいですよ'と言って、一度ビニールで包装したのを解いて私に本を差し出してくれた。中の紙質が面白かった。Kやんでさえ'あれは日本の宝です'と頰を上気させていた。Mさんは終始にやにやしていたし、上擦った声で本棚のどのへんに差そうか、と何度も繰り返していた。あれの隣がいいかなあ、これの隣がいいかなあ、と。背がこんなに見えるなんてまずないよねえ、紙もこんなにパリパリしてて、とも言っていた。とても自慢気に。その場にいる全員が浮き足立っていた。Mさんが本をレジのところに持って行ってGさんに気泡緩衝材を巻いてもらっていたら、Tさんが横からGさんに、'もっとぎゅーっとやっちゃっていいですよ、ぎゅうっと!'と言っていて可愛いなと思った。こういうコレクターネタのじゃれ合いは見ていて楽しい。Mさんは'いやあわかんないよ?いつか俺が貧乏になったら…'とか言っていたが手放す気がないのは明らかだった。公務員なんて安定の代名詞なのだから。