2014-05-10,Sat.

古書猫額洞、今日閉店。何日か前にTさんに、一緒に行きませんかってお誘いのメールを送ったのだが、華麗に無視された。たぶん偶然読んでなかっただけなのだろうけど心が折れたので二度誘いはしなかった。夕方電車に乗って、まず八王子に。いつもの古本屋に顔を出して、Kさんに借りていたジョージ秋山『ばらの坂道』3冊返す。そして何故か団鬼六の『勝負師 小池重明』を貰う。Tさんがいたらもう一回誘ってみようかと思ってたのだけどいなかった。Kさんに「いってきます」と言い、一人でふらふら新宿に向かう。新宿からバス。10年以上前、まだ小学校の2年生か3年生の私が父に連れられて来たことのあるそのお店は、ちっちゃな商店街の中ほどにあった。名前のとおり、狭い。6畳くらいだろうか。最終日ということもあってか、中に3人くらいお客さんがいる。入ってすぐのところに安部公房の『制服』のパンフレットだか台本だかみたいなやつがビニールの袋に入ってぺろっと掛けてあってかなりテンションが上がった。買わなかったけど。とりあえず端っこの棚から舐めるように眺めていく。すごい!濃い!なんてクオリティなのだろう、と、驚く。仮にもあと2時間くらいで閉店するはずの古本屋なのに、この素晴らしさはいったい何なのだろう。コーフンしながら1時間半くらいかけて隅から隅まで眺めつくす。本棚ごと全ての本を持ち帰りたいくらいだったけれど、『私家版』と鈴木いづみセカンドコレクション3と、谷口ジローが表紙の矢作俊彦『マンハッタンオブ』2冊揃いを買う。お会計のとき、「私、○○の娘なんです」と言ってみる。このお店、父の古いお友達がやっているのだ。すると、レジにいた、父が「ココ」と呼んでいた人だと思う、茶髪ショートの女の人が、「まあっ、ジェファーソンの娘さん⁉︎大きくなって!全然気づかなかった!」と言って、奥のカーテンで仕切られたスペースで作業していた人にも声をかけた。パイプを咥えた黒づくめのイカす男の人。少し話をして、別のお客さんがレジに来たので、私は店を出た。そのとき店にはお客さんが5人くらいいて、ぎゅうぎゅうだった。
なぜ父がジェファーソンと呼ばれているのか気になって、家に帰って尋ねてみたら、父は70年代のはじめ、高円寺で「ジェファーソン」というロック喫茶をやっていたのだそうだ。面白い。面白い。