2014-06-25,Wed.

夜が、額縁から剥がされた写真のように、私を取り囲んでいた。牡蠣のふたつの殻に似て引き裂かれた外套の裏張りのように。夜と昼とは引き剥がされ、私は、そのどちらの層に寄りかかっているのか、それが夜明けの冷く鉛色した上層の葉群なのか、夜の暗い層なのか判らぬままに、その隙間に墜ちてゆく。

アナイス・ニン『近親相姦の家』