2014-08-12,Tue.

ターセム監督『THE CELL』2000年

美しい映像。不思議な、不自然で、安っぽい、美しさ。浮遊感。私の眩暈と同種のもの。とても、美しい世界。
(物語の中の)現実の世界は、美しくない。
気持ち悪い。
物語に魅力は感じない。キャラクターにも。
ひとの精神を覗き見るって、なんと恐ろしいことだろう。ひとの精神だけではなくて、自分の精神も紛れ込んでいるんだろうって、思う。
《セル》が、私の閉所恐怖を掻き立てる。息苦しい。
宗教って、なんだろう。監禁されていたジュリアは、主の祈りを唱えていた。洗礼は、カール・スターガーにトラウマを与えた。
所有とは?支配とは?
水に浸かって目を覚ます。動かぬ他者。まるで遊園地。
ノヴァックは、異質で無能力な他者だった。彼は馬鹿でせっかち。
タツノオトシゴは、なんの象徴だろうか。どす黒い赤の口紅が欲しい。私には、夢と現実を区別することができない。私はいつだって、全ての夢を現実として生きている。マニキュアが気になる。マニキュアは自分を取り戻す道標になり得る?
私は、助けて欲しいと泣き喚く女が嫌いだ。私も同じだろうか?
「キャリアに傷がつく」などというセリフは不要だと思った。気分をぶち壊さないでほしい。
色素を抜く、ということにどんな意味があるのだろう。色に、意志が宿る?
自分の精神に相手を招き入れ、それによって浸食されることの恐怖。怒り。己を抱きしめる。
水槽の中の女性。私が水槽の中に閉じ込められても、あんなふうに暴れて外の者の目を愉しませることはできないだろう。だって、怖い。あんなところに仕舞われてしまったら、恐怖で、とても泣き叫ぶどころではない。
彼も彼も、夢の中で、水棲生物と化す。水棲生物は、拒絶の形態のひとつなのだろうか?
「これは現実じゃない」。私はその言い訳を永遠に失っている。私に見える世界は、全てがほんもの。どうして、そんな癖を身につけてしまったのか。すべてを受け入れる癖。否定することが怖い。
水から来たものを水に還す?
水槽の中で震えるジュリアを抱き締めるノヴァックは、なにを考えていたのだろう?空間に圧迫される私の手を握っていてくれたJさんは?
自分の世界に他人を招き入れるなんて、怖い。私にはできないだろう。だって、私には世界がないことを自覚させられてしまいそうで。それはとても恐ろしい。
私は、受け入れることによってすべてを拒絶しているのかもしれない。