2014-08-13,Wed. / 2014-08-14,Thu.

ハジメテを過ごしたホテルの場所を正確に覚えていない。渋谷の、文化村の近くだった。
朝になったら、すべてをまるで夢であったかのように感じるのではないかと恐れていたけれど、心配することはなかった。ホテルから駅まで繋いで歩いたJさんの手はサムデイで握ったときとはまったく違う感触だったし、なにより下腹に甘ったるい違和感がこびりついている。
なぜこんなことになったのか、よくわからない。夜、Jさんと御茶ノ水で待ち合わせし、立食いのお寿司をご馳走になった。そのあと、三軒茶屋のバーに行った。二階のはんぶん個室みたいな座敷で、飲み物を飲んだ。三口くらい飲んだところで、Jさんがきゅうに私の眼鏡を外し、自分の眼鏡も外した。何をしているのだろうと思ってるうちに、Jさんが近づいてきて視界が遮られた。柔らかくて濡れたものが、押し付けられた。気持ち悪いと思わなかったので、抵抗しなかった。一頻り口を吸いあったあと、Jさんは、嫌かと訊いた。私は、わからないと答えた。Jさんはいつもと違う掠れた甘ったるい声で、Aちゃん、と私を本名で呼んだ。何度も何度も、口を吸われた。Jさんは、あなたといると落ち着く、と言って、私の身体に触れた。私は、自分が「ああ」と呻き声をあげるのを、どこか遠いところで感じていた。Jさんの声がいつもと違うので戸惑っていた。二杯目の飲み物を飲んだあと、タクシーに乗って渋谷に行った。ホテルに入った。Jさんと寝た。私はJさんの厚い胸と熱い舌と体温と、太い腕と素晴らしい形をしたあの手とに感じていた。「最後まで」やったことになるのか、よくわからない。たぶんならないだろう。挿入しかけたが、私が痛がるのでJさんは途中でとめた。Jさんの指と舌とで、私は喘ぎ続けた。自分の喘ぎ声が近づいてきた。Jさんは私を抱き締めて、「死んじゃだめだよ」と、何度も言った。つらかった。Jさんは僕らは恋人だよねと言った。寂しかった私に逃げ場所ができた。私はずっと逃げ場所が欲しかった。ぎゅうっと抱き締めてくれる体温が欲しかった。
下腹に甘い疼きがのこってる。