2014-09-28,Sun.

千歳烏山のbar TUBOに菅野邦彦のライブを聴きに行った。Jさんはかつてよく聴きに行っていたということで、菅野邦彦に顔を憶えられていた。客は白髪のご老人ばかりで、Jさんと私(特に私)は少し浮いていた(かもしれなかった)。菅野さんは異常なほどに肌が綺麗だった。肌の色艶は全く年齢を感じさせなかった(あとでJさんが、彼は好きなことだけをやって生きてきた人だからではないかと言っていた)。矢鱈と仕立ての良さそうなすてきなワイシャツを着ていて靴もよく手入れされていて、上等なものを着慣れている人なのだなと思った。じっさい、学習院の思い出話をしてくれて、ああやはりそうかと思った。演奏は素晴らしかった。とくに、後半、ギターが加わってからがスゴかった。(前半はピアノ、コンガ、ベース)。途中で、キツツキが木をつつく様を模したような楽器(名前が出てこない)を取り出していて、それもまたよかった。菅野氏はそれをとても気に入っているのだとJさんが言っていた。ライブの後菅野さんは、お客さんから贈られたバラの花束をバラして「女性のみなさんに」などと言って配った。私も一本貰った。

このバーに足を踏み入れるまでのことを書く。夕方、千歳烏山の駅前のエクセシオールカフェでJさんと会い(Jさんを待ちながら私はアナイス・ニンの日記を読んでいた。頭の中で自分をアナイスに、Jさんをヘンリーに当てはめてみる。不思議とすっぽり納まる。一瞬、ジューンを川上未映子のイメージで見てしまう。)、近くでタイ料理を食べた。そのあとライブハウスを探して歩く途中非常におかしな古本屋をみつけて、二人で物色した。置いてある本はみんなとても汚かったが値段はとても安かった。Jさんは250円で哲学の本を、私は300円で成田美名子のCIPHERの揃いを手に入れた(といってもお金を出したのはJさんなのだが)。その古本屋には店番がいなくて、本を買うには斜向かいの不動産屋まで持ってこいと貼紙がしてあった。ライブハウスを見つけるのには手間どった。その番地(6-8)の土地の周りをぐるっと回って、戻ってきたところにそれはあった。
お店に入ってからライブが始まるまでの間、Jさんの哲学の弟子MSさんが今度やる発表の原稿を見せられていた。あなたのセンスを確かめるから批判的に読んでおかしなところがあったら言うようにと指示された。ライブが始まるまでに見つけることはできなくて、中途休憩に入ってからまた読み始めた。私の遅読に痺れを切らしたJさんは、何ページか捲って、このページから読んでくださいと言った。一番はじめの2文くらいを読んでこれは変だと思ったが、こんなにいきなり見つかっていいものかと自信が持てなかった。しかしどうやらそこがおかしいのは正解のようだった。Jさんが解説をはじめたのだが、私はその途中で少しぼうっとしてしまって話を聞いていなくて、頓珍漢な受け答えをしてしまったようだった。シマッタと思ったが、ちょうど良いところで菅野さんが話し掛けてきてくれた。


Jさんはセックスのときいつも、あなたはこのことをブログに書くのかと私に尋ねる。私は書かないと答え、そしてJさんは書けばいいのに、と言う。結局ほとんどの場合私はこの日記に書かない。今日はその斜め上のことをJさんは言った。今この場でTwitterに呟いたらどうかと。Jさんのこの自己顕示欲(?)はどこから来るのだろう。Jさんは自分では僕は他人を気にしない人間だと言っているが、しかしどうも私には彼は他人を気にしすぎているように見える。私のことに関しては特に。
このこと以外に彼がセックスのとき決まって口にする言葉がある。「今も、死にたい?」私は、今は死にたくないだとか今はそんなこと考えられないだとか、そんなことを言う。彼は「死んでしまったらこんなことできなくなるんだよ」と言う。少しつらくなる。これは彼の、私を死なせないための戦略なのだとわかっているけれど。

秋になったからか、変に乾燥する。喉が痛い。