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2015-05-20,Wed. その3

私には昔から、剃刀やカッターナイフや鋏や爪切りや実験用のメスなどで足の裏の少し皮が厚くなっている部分から血が出ない程度に薄く皮膚を削り取ったり、手の指の爪と肉の境目から皮膚を剥いでいったりする癖があった。自分の足を眺めていると、その要領で足の指を切り落とせるような気がしてくる。刃物で皮膚を削り取るみたいになんの痛みもなくスパッと切り落とせるような気がするのである。そして、切り口から分厚い皮膚組織全部をぺろりと捲って脱皮するみたいに取り去りたいのである。その向こうには何があるのか。これは、半分は本物の皮膚のことを言っているがもう半分はあちらとこちらを隔てるものとしての皮膚について言っている。
私が小説家の中で安部公房泉鏡花を特に気に入っているのは、彼らが皮膚の気持ち悪さに意識的であるからだと思う。