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トラ

わたしはヒトではないので、感じていることをヒトの言葉で表すことができない。わたしは気まぐれで気まぐれで気まぐれだ。わたしはヒトにヒトの姿を見せているので、わたしの美しい縞模様や優雅な尻尾を見ることができるヒトはいない。わたしは鋭い牙で獲物を狩り、そして胃もたれする。ヒトの食べ物を食べると全身がもったりと重くなるような気がするが、ヒトの姿を見せ続けるためにはそれを食べなくてはならない。

道ゆく誰も、ジェイコブが大きなトラを連れて歩いていることに気づかない。