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2015年10月15日(木)

私は自分のために泣いているのではない。私は混沌とした優しさの世界で泣いているのだ。
現世での私の状況をみて、私がその状況下で自分のために泣いているのだと理解することは容易い。しかし、
自分の置かれている場所は、私にとって涙を流すほどの意味を持たない。私の心は、私の涙の下に深く深く潜っていった暗く湿った場所で泣いている。そこは傷ついたすべての優しさの墓場だ。私はその甘く香り立つなまあたたかい死骸たちの中で泣く。死骸は優しさではなく悲しみで私を引き裂く。死骸は私を虚無の淵へと連れて行く。虚無の岸線は消えていったすべてのものたちに関するさいごの記憶が忘れ去られた瞬間にふっと漂う香り高い煙でできている。私の涙は覗きこんだ虚無の底に静かに落ちてゆき、そして現世の瞳に滲む。