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2016/06/26,Sun.

実のある生活を送っていると、消耗してしまって何も書く気になれない。書く気になれないばかりか頭がおかしくなって変な行動に出た挙句更に磨耗して、という悪循環。

 

何もしないでいるなんて退屈で耐えられない、と言う人は多いけれど、私はその逆なんじゃないかと思う。塔の上の隔離された冷たい空間で、何とも触れ合うことなく、本も読まず糸を紡ぐことさえせず、じいっと静かに一生を終えることができたら。飲み食いせず、時折ガラスのない窓の外からやってくる霞と触れ合うことによって僅かばかりの水分を補給する。身体からは人間的なあらゆるものが剥離してゆき、最期には葉脈の標本のような透明で何を主張することも考えることもない「自分」が残る。葉脈の標本のようになった私はふわりと冷たい石の床に横たわり、そして静かに霞に溶ける。