2016/06/26,Sun.

マルグリット・デュラス『エミリー・L』田中倫郎訳、河出書房新社 pp.24-25より

 

・「あなたはぼくのために勝手に物語を作りあげた。ぼくといっしょに経験したというその物語に、ぼくはなにも関係してないよ」

 

・「ぼくは口から出まかせを言って、それから忘れちゃうんだ。その点はわかってるでしょう」ーーあなたは微笑しているーー「でもぼくがあなたにもたらした絶望の範囲では、いつでもそばにいるよ」

 

・「わたしはあなたの言うことを、どんなでたらめだろうと嘘だろうと全部信じるわ。あなたが表明していること全体、全部の言葉、あなたのうかつさ、愚かさを信じる。そして、そういうがらくたにとりかこまれた、あなたの先験的なまじめさだって、ちゃんと信じてるのよ」