2016-10-10,Sun.

左の人差し指にちいさな火傷を負った。なんとリアルな痛みだろう。意識をうつつに縛りつけるような、生きた痛みだった。私は少し嬉しかった。もっと肉体を傷つけてみたいと思った。手首に刃を押し付けるしゅんかんや玉のように膨れる血液や、もしかしたら桃色の肉も見えるかもしれないなどということが、頭の中を駆け巡った。いつもの死の観想とは全く違った想像だった。私は塞がった傷口のことを想像した。瘡蓋もとれてしまって、ただ皮膚の途中に少し盛り上がって存在するだけの、亀裂を感じさせるなにか。私は少しだけ幸せだった。

 

同時にあることを考え怖くなった。この火傷の痛みは間違いなく肉体を捨てれば消える類いの痛みだ。でも、いつもの頭や胸の痛みは?これとは違う!私は死について考えるとき、自我とともにこれらの痛みも消えることを期待していた。私は全てが死によって断ち切られることを期待していた。…もし、私が死を「経験」してしまったら?痛みも苦しみも消えず、さらにはそれらに引き摺られて自我さえも残ってしまったら!

もちろんこれは私の中で痛みの存在が大きすぎるが故の妄想だ。けれど、