2017-01-05,Thu.

私の記憶は狂気に満ちている。文章化されていない記憶はどれも断片的で悪夢みたいに唐突だ。頭の中に瞬間的に投影されるイメージはどれもひどく私の心を掻き乱す。それらは連続的でなく時間的でなく何らかの意味を持つこともない。狂気だけが満ちているようにおもえるのだ。

 

 

私の住んでいる土地から隣の地区に行くために2つの道がある。1つは国道、もう1つはまた別の山の方の地区を通って行く方法。国道にはもちろん歩道があって、遠いけれど隣の地区まで歩いて行くことができる(はずだ)。でも一箇所だけほんの50メートルくらい歩道が途切れている場所がある。線路と立体交差していてそこだけ道幅が狭いのだ。歩道橋のようなものはなく、近くで並行する代わりの道もなく、徒歩の道が完全に絶たれている。その立体交差の手前には空き地が広がっている。枯れたすすきで覆われていて、とても人間が歩けるような場所ではない。とても大きな空き地だ。その向こうに小川が流れていて、川の更に向こうには薄暗いひと気のない団地がある。団地の背後には山が迫っている。2016年の早春、私はこの空き地を一生懸命横切ろうとしていた。横切って団地へ向かおうとしていた。すすきをかき分け踏み分け、橋の架かっていない小川をどうやって渡ろうかと考えながら。団地に知り合いなんていない。あのときのわたしはいったい何をしようとしていたのだろうか?前後の記憶は全くない。これは夢ではない、現実に私が体験したことだ。