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2017-01-08,Sun.

刃物を引いて手首を切ることを想像していつも気分が悪くなります。肌に押し当てただけで肉まで切り裂くことができるのは特殊な研がれかたをした刃物だけでしょう。普通の包丁や剃刀で手首を切るときには必ず刃を引かなければなりません。刃物を持った手を手前に引くという行為の悍ましさ。首のうしろにふっと温度のない恐怖が触ります。脈を取るような格好で手首に指をあて、どのように切るのがよいか考えます。角度を間違えて、血管に辿り着く前に骨に当たったりしてはコトです。手首を内側にねじり手のひらをうしろに倒すと二本の骨が裏側にあつまり手前には柔らかい部分が押し出されることを確認します。縮んだ筋肉は弾力を持ち、これを断つ際にはぶつりと音がするのだろうか、断面はどんなだろうかといろいろな考えが浮かびすこし楽しいような気持ちになります。薄い刃物が筋や筋肉や血管を通り過ぎこつりと、あるいはぎしりと骨に当たることを想像すると、それだけで手のひらに力が入らなくなります。さらに鶏のささみに包丁を入れることを想像してみます。肉の流れと直角に刃を入れた場合切断するのは容易とは言えません。くらりと気が遠くなります。やはり手首を切ることは建設的効率的な自殺方法とはいえない。けれど自分に死ぬのは怖いことだ死ぬ試みは高い確率で失敗する、と刷り込むにはやはり手首を切る想像が一番です。